カップヌドルを食べるときもエレガントにみえるひとに憧れる
ねえ姉さんが死んでどれくらい経つんだっけ
ミシンは正直である
女の子の名前はほほといいました
私は生前の彼女を知らない
兄さんが缶コを飲むと街は褐色に揺れる
麦ふみのことなんてなにもしらなかった
ねえ——いっとう初めに降ってきた雨の話をしようか
ペンチくんはいぬのニッパをつれてパンツやさんにいった
キャヴィアをもっとどうかな?
ヘイヘイバンビノ!
エレベはきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた
電車に一人で乗っている人は大抵無表情でぼんやりしている
どこの山かわかりません
建物の裏にまわって自転車をとめ郵便ポストを見ると自分宛のものではない郵便物が入っていた
ジュゼッペはみんなからトリツカレ男ってあだなで呼ばれている
あのう霧の谷へはどういったらいいんですか?
五月二十日午前三時二十二分夜明けにはまだ間がある
いつ心臓がぶっこわれてもいい
一七七七年合衆国は独立戦争において敗北の危機に瀕していた
小説で生計を立てるようになってからおよそ十年になるけれど未だ小説というものを書いた覚えがない
まことに小さな国が開花期をむかえようとしている
あなたの描く光はどうしてそんなに強く美しいんでしょう
ルバショフの背後で独房のドアがバタンと閉まった
冷たい水にとりかこまれ陸地から遠く離れてぼくらは毎夜霧の出るのを待っていた
頭のてっぺんを何かがノックしたくねり
わたしがこの標本室に勤めるようになってからもうすぐ一年になる
君はスケッチブックを開いて八角時計をいくつも描いていた
五戦五敗の歴史を超えて
ある日のことである
昔はねえお家賃というのは本で払ったものですよ
その夕方島の港にまるで年をとった象のようにくたびれた灰色の貨物船がッと低く汽笛を鳴らしながらゆっくりと入ってきました
その街の電車には煙突がはえておりました
ぼくはかみのぼうしをかぶりあたらしいらっぱをもってもりへさんぽにでかけました
実務家の弟と比べ彼にはいささかの空想癖があった
弟のことを考える時わたしの胸は石榴が割けたような痛みを感じる
春琴ほんとうの名は鵙屋琴大阪道修町の薬種商の生れで没年は明治十九年十月十四日墓は市内下寺町の浄土宗の某寺にある
或る夜家に帰ると美しい文字の手紙が届いていた
曇天の午後四時が怖ろしい
ぼくのメガザウルスがどんなにすてきかってことをどんなふうに話したらきみにわかってもらえるだろう
しょっぱなに夢の話というのも芸がないけれどつらつら考えるにここから始めるのが一番よさそうだ
空港高校演劇のように神秘的な雰囲気を漂わせようとしている
いったい何が嫌いといって雑踏で突然背後から肩を叩かれることほど嫌なものはない
母が死んだ時私の平凡だった世界は消えた
むかしのむかしのはなしではありませんみらいのみらいのはなしです
こんな字がある小さい店のドアのガラスに書かれていた
年中借金取が出はいりした
キャベツくんがあるいてくるとブタヤマさんにあいました
大人はわすれてしまっている 子どもでいるというのがどういうことなのか
海猫は空に愛されている